エンディングテーマ

久石譲は、言わずと知れた日本を代表する作曲家。スタジオジブリ作品や北野武作品の音楽を担当したことで広く知られ、国内、国外問わず数々の賞を受賞。作曲家、ピアニスト、指揮者と様々な面で活躍し続けており、世界中で愛され続けている稀有な音楽家です。井伸行もまた、世界トップクラスのピアニスト。アメリカで開催されたヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで日本人として初めて優勝し、その後も数々の賞を受賞。作曲家として『神様のカルテ』、「美の巨人たち」などの映画やテレビ番組の音楽も担当し、コンサートも日本のみならず世界中で開催。今、日本で最も活躍しているピアニストといっても過言ではありません。

原作『羊と鋼の森』は「本から音が聴こえてくる」という感想がでるほど、表現力豊かに描かれた物語。その世界観、そして“ピアノ”の魅力を最大限に活かせるテーマ曲をと考えた映画制作陣は、優れた表現力で世界的に有名な音楽家である2人に制作を依頼。もともと原作を読んでおり、その世界観に強く惹かれた両名がオファーを快諾したことにより、世界的音楽家による、豪華すぎる“夢”のタッグが実現しました。
昨年夏、コンサートホールにオーケストラを集め、久石譲自らタクトを振り、曲を収録。この日、初対面となった二人は互いに「お会いできて光栄です」と喜びの気持ちを表しました。事前に打ち合わせをした後に、本番収録。息の合った演奏をした二人は、終わった後も「本当に楽しかった」と嬉しそうな笑顔を見合わせ、その姿はまるで相思相愛。映画に相応しい最高のエンディング・テーマが完成いたしました。

1950年生まれ、長野県出身。
国立音楽大学作曲科卒。現代音楽の作曲家として、ソロアルバム、コンサート、指揮など幅広い分野で活躍。映画『風の谷のナウシカ』(84/宮崎駿監督)以降、『おくりびと』(08/滝田洋二郎監督)、『悪人』(10/李相日監督)、『かぐや姫の物語』(13/高畑勲監督)、『家族はつらいよ』シリーズ(16・17/山田洋次監督)など、映画音楽やCM音楽など話題作の音楽を多数手掛ける。

ピアニストはいろいろなピアノに出会わなければならない。ピアノによってタッチがそれぞれすごく違います。調律師は求める音を表現してくれる、本当に大事な存在で、音は出さないけど立派な音楽家だと思います。
そんな調律師を描いた原作を、オファーをいただく前に読ませていただきました。成長譚の美しくてとても良い話。だからこそ、綺麗なだけで終わらないように、映画の奥行を出せるように、シビアなミニマル的な部分とメロディアスな部分の交差する曲を作るように意識しました。
その曲を井くんと一緒に作ることができて嬉しく思います。古典的なスタイルをとりつつ、現代的な曲を作ったのですが、見事に弾いてくれました。井くんは本当に素晴らしいピアニストで、特にリズム感が凄いです。無駄なものが無いきちんとしたリズム。これを活かしたいと思って指揮をしました。演奏をしていて、とても楽しかったです。 井くんとはまた是非一緒に演奏させていただきたいですね。

1988年生まれ、東京都出身。
2009年6月に米国テキサス州フォートワースで行われた第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで日本人として初優勝して以来、国際的に活躍している。2度の日本ゴールドディスク大賞を受賞。作曲家としても注目され、映画『神様のカルテ』(11/深川栄洋監督)で第21回日本映画批評家大賞を受賞。

オファーをいただく前に原作を点字の本にして読んでいましたが、ピアノをやっている人なら皆さん興味のある話だと思います。曲にもたくさんのイメージがあったり、ピアノには壮大でカッコいいところがあったり、いろいろな面白いことが分かる素晴らしい物語です。そんな映画の演奏を、久石さんとご一緒させていただけたのは本当に光栄でした。久石さんの大ファンで、素晴らしい曲をずっと聴いていたので、本当に嬉しかったです。
久石さんに楽譜をいただいた時に、どのような気持ちで作曲されたのか想像し、また映画のイメージを自分の中で膨らませて、できる限りのことをしようと思って練習し、本番に挑みました。お会いするまでは緊張しましたが、本当にお優しい方で、合わせやすく、またいろいろと勉強させていただきました。この曲は感動的で、美しく、弾いていて本当に楽しかったですし、収録があっという間でした。また是非ご一緒させていただきたいです。
ピアノの調律師さんは僕にとってなくてはならない存在です。ピアニストは演奏するときは一人ですが、調律師さん、観客の皆さんと一緒にコンサートを作り上げていると思っています。
国内外の様々な場所で調律師さんと出会うのですが、いろいろなタイプの調律師さん、そして会場のピアノと出会えるのは楽しいですね。